2007年02月20日
2006年度意見発表作文 3年生②
毎年1学期に行われる農業クラブ主催の意見発表という行事があります。
食料、環境、文化・生活の3区分のテーマがあり、
いずれかのテーマで意見作文を発表するものです。
校内代表に選ばれ、県大会に出場した生徒の作文を掲載します。
食料、環境、文化・生活の3区分のテーマがあり、
いずれかのテーマで意見作文を発表するものです。
校内代表に選ばれ、県大会に出場した生徒の作文を掲載します。
[ハットリ]
犠牲の中の命 3年 Y.M.
今年から僕は、愛農学園の3年生になった。高校生活最後の年と言うだけあって様々なことを思い出してしまう毎日である。特に農業高校と言うだけあって実習でのことを振りかえってしまう。
いつもとなんら変わらない午後の授業。いつものように点呼をとって太陽がサンサンと照りつける中で実習はスタートする。そして、いつものように自分が所属している養鶏部の部室に入り仕事内容が書かれている黒板をチェックする。そこには「解体」という内容がしるされていることがある。愛農学園に入学して1年生の時に初めて「解体」というものに触れて今にいたるまで2年以上にもなるから、朝飯前という感覚でいつも解体をしている。しかし、そんな自分にも解体が恐くて仕方がなかった時期があった。
1年生の時初めての解体の日がやってきた。僕は、解体をするために解体室まで足を進めた。すると、解体室の前にはすでに今日これから解体される鶏がカゴの中にギュウギュウに詰め込まれているのが目に入った。そして、白いエプロンを着ると、すぐに包丁を持たされ、これから鶏の首を切る作業をするからと言われて、始めに先輩が手本を見せてくれた。すると先輩はいとも簡単に鶏の首を切った。鶏からは大量の真っ赤な血がボタボタと流れ出てきた。すぐに自分の番がやって来た。あんな光景を目の当たりにした自分は頭の中が真っ白になっていた。そして気付けば自分は鶏の首を切る準備をしていた。そして、鶏の首に包丁を突きつけ一気に包丁に力を入れた。すると真っ赤な血がゆっくりと鶏の体を滴り落ちていった。血を抜くため、すぐに特殊な形をした入れ物にその鶏を頭から入れると鶏は、身動きもとれずに苦しそうにもがきながら死んでいった。ついさっきまで自分の手の上にいた暖かい鶏をたった数分の間に自分が今目の前にしている冷たい鶏にしてしまった。さっき生きていた鶏はもうこの世にはいない。そんな命の重さが僕の体にズッシリとのしかかってきた。農業という職業がどれほど生と死を隣り合わせにしている職業なのかが痛いほど分かった気がした。人間達が生きていくためにこの鶏は犠牲となって死んでいったのだということを考えると、自分が生きていく中でまわりでは様々な犠牲が確実にあるということを忘れないでいたいと思った。
最近僕は、アルバイトをするようになった。その仕事内容は、動物園の動物に生の餌を提供するために牧草や特定の木の枝を一定の重量で束ねる仕事だ。すべての仕事を手作業で行う。これは、もしも機械で収穫して動物達の餌に危険なものが入っていれば大変なことになるからだ。この仕事をしている社長さんは、とても動物が好きでこの仕事を始めたらしい。生の餌を提供しているのも動物達のことを考え少しでも自然のものを食べさせてあげたいという想いからだ。その人と仕事をしている時にその人は僕にこう言った。「この仕事は、多分無くならないよ」それを聞いて僕は疑問に思った。それは、僕のイメージでの最近の動物園はあまり人気がなくどこの動物園もつぶれていく一方だと思っていたからである。しかし、その人は、すぐにそう話した訳を教えてくれた。「最近の動物園は、お客様を喜ばすためだけではなくて動物を保護するという役割もはたしているんだよ」
これを聞いて、「仕事が無くならない」と言う点に関しては仕事が無くならないのだからとても良いことに思えるが、よく考えてみると動物達が保護されなければならない状況まで人間達が追い込んでしまったのだ、と思うととても複雑な気持ちになった。しかし、ここまで追い込んでしまったのは、自分達人間なのだからそんなことは言ってられない。これからの自分たちのするべき行動は何なのかを考えなければならない。
人間が動物を殺すのは単純に食糧にするためだけではない。ただ珍しいというだけの理由でも人々は動物を殺す。動物を守ろうとする政策があったとしても密漁などをして動物の命を奪う人々はあとをたたない。そうまでして動物を殺してなんのためになるのだろうか。人間がそんなことをするせいで絶滅の危機に追い込まれた動物は何種類ぐらいいるのだろう。気になって調べて見ると絶滅に追い込まれている生き物は加速度的に年々増えているそうだ。ものの本によると13分に1種というスピードで絶滅は進んでいるらしい。今もこうして自分が意見発表の原稿を読んでいる間にも、まもなく一種が消えて無くなろうとしている。この現実を僕らはどう受け止めればいいのだろうか。
自分は今高校3年生で次の進路を考えなくてはならない。このアルバイトを経験して僕の中で1つの想いが生まれた。それは、ここで正式に職員として雇ってもらい、いままでは命を奪う側だけだった立場から今度は動物達を生かす側にも立って一生懸命働きたい。
そして、動物園を救い、動物を救い、後には地球に貢献できる道を僕なりに模索していきたい!
今年から僕は、愛農学園の3年生になった。高校生活最後の年と言うだけあって様々なことを思い出してしまう毎日である。特に農業高校と言うだけあって実習でのことを振りかえってしまう。
いつもとなんら変わらない午後の授業。いつものように点呼をとって太陽がサンサンと照りつける中で実習はスタートする。そして、いつものように自分が所属している養鶏部の部室に入り仕事内容が書かれている黒板をチェックする。そこには「解体」という内容がしるされていることがある。愛農学園に入学して1年生の時に初めて「解体」というものに触れて今にいたるまで2年以上にもなるから、朝飯前という感覚でいつも解体をしている。しかし、そんな自分にも解体が恐くて仕方がなかった時期があった。
1年生の時初めての解体の日がやってきた。僕は、解体をするために解体室まで足を進めた。すると、解体室の前にはすでに今日これから解体される鶏がカゴの中にギュウギュウに詰め込まれているのが目に入った。そして、白いエプロンを着ると、すぐに包丁を持たされ、これから鶏の首を切る作業をするからと言われて、始めに先輩が手本を見せてくれた。すると先輩はいとも簡単に鶏の首を切った。鶏からは大量の真っ赤な血がボタボタと流れ出てきた。すぐに自分の番がやって来た。あんな光景を目の当たりにした自分は頭の中が真っ白になっていた。そして気付けば自分は鶏の首を切る準備をしていた。そして、鶏の首に包丁を突きつけ一気に包丁に力を入れた。すると真っ赤な血がゆっくりと鶏の体を滴り落ちていった。血を抜くため、すぐに特殊な形をした入れ物にその鶏を頭から入れると鶏は、身動きもとれずに苦しそうにもがきながら死んでいった。ついさっきまで自分の手の上にいた暖かい鶏をたった数分の間に自分が今目の前にしている冷たい鶏にしてしまった。さっき生きていた鶏はもうこの世にはいない。そんな命の重さが僕の体にズッシリとのしかかってきた。農業という職業がどれほど生と死を隣り合わせにしている職業なのかが痛いほど分かった気がした。人間達が生きていくためにこの鶏は犠牲となって死んでいったのだということを考えると、自分が生きていく中でまわりでは様々な犠牲が確実にあるということを忘れないでいたいと思った。
最近僕は、アルバイトをするようになった。その仕事内容は、動物園の動物に生の餌を提供するために牧草や特定の木の枝を一定の重量で束ねる仕事だ。すべての仕事を手作業で行う。これは、もしも機械で収穫して動物達の餌に危険なものが入っていれば大変なことになるからだ。この仕事をしている社長さんは、とても動物が好きでこの仕事を始めたらしい。生の餌を提供しているのも動物達のことを考え少しでも自然のものを食べさせてあげたいという想いからだ。その人と仕事をしている時にその人は僕にこう言った。「この仕事は、多分無くならないよ」それを聞いて僕は疑問に思った。それは、僕のイメージでの最近の動物園はあまり人気がなくどこの動物園もつぶれていく一方だと思っていたからである。しかし、その人は、すぐにそう話した訳を教えてくれた。「最近の動物園は、お客様を喜ばすためだけではなくて動物を保護するという役割もはたしているんだよ」
これを聞いて、「仕事が無くならない」と言う点に関しては仕事が無くならないのだからとても良いことに思えるが、よく考えてみると動物達が保護されなければならない状況まで人間達が追い込んでしまったのだ、と思うととても複雑な気持ちになった。しかし、ここまで追い込んでしまったのは、自分達人間なのだからそんなことは言ってられない。これからの自分たちのするべき行動は何なのかを考えなければならない。
人間が動物を殺すのは単純に食糧にするためだけではない。ただ珍しいというだけの理由でも人々は動物を殺す。動物を守ろうとする政策があったとしても密漁などをして動物の命を奪う人々はあとをたたない。そうまでして動物を殺してなんのためになるのだろうか。人間がそんなことをするせいで絶滅の危機に追い込まれた動物は何種類ぐらいいるのだろう。気になって調べて見ると絶滅に追い込まれている生き物は加速度的に年々増えているそうだ。ものの本によると13分に1種というスピードで絶滅は進んでいるらしい。今もこうして自分が意見発表の原稿を読んでいる間にも、まもなく一種が消えて無くなろうとしている。この現実を僕らはどう受け止めればいいのだろうか。
自分は今高校3年生で次の進路を考えなくてはならない。このアルバイトを経験して僕の中で1つの想いが生まれた。それは、ここで正式に職員として雇ってもらい、いままでは命を奪う側だけだった立場から今度は動物達を生かす側にも立って一生懸命働きたい。
そして、動物園を救い、動物を救い、後には地球に貢献できる道を僕なりに模索していきたい!
Posted by あいのう高校 at 09:20│Comments(0)
│農業クラブ