憲法記念講演会
愛農学園では毎年、憲法記念講演会を行っています。今年度は、西谷文和さんというフリージャーナリストの方が、「報道されなかったイラク戦争」という題で、実際に現地で見た、戦争の本当の姿を伝えてくださいました。
西谷さんは映像を示しながら、生の「戦争」についてお話しされました。戦争前と戦争中のイラクが映し出されます。人々が過ごしていた商店街も、病院も、学校も破壊され、町は廃墟になりました。イラクにあった世界一古い楽器は戦争で壊され、国立博物館も破壊。バビロンの遺跡も盗まれました。
一番ショックだったのは、傷ついた子ども達の映像です。「動いている物は全て撃つ」という米軍の攻撃。学校帰りに無差別に撃たれケガを負って泣く子どもの姿のには、涙が止まりませんでした。
「テロとの戦い」という名目のイラク戦争。ファルージャは、「ザルカウイ」というたった1人のテロリストが逃げ込んだということで、猛烈な空爆が行われ、7000人が殺され、400万人が家を奪われ逃げています。戦争の本当の姿はテレビでは報道されません。
そして、戦争のもう一つの姿は、軍事産業の繁栄です。戦争をすることでもうけている人がいるのです。
イラクの人々は、東京や大阪は知らなくても、ヒロシマとナガサキは知っているそうです。そして、そこから復興した日本を尊敬しているそうです。日本には、平和憲法があります。しかし、それが、かえられようとしているのです。
西谷さんは、「戦争」を病気にみたてて、病院に当たるところが「国連」。戦争という病を治す薬が「教育」とおっしゃいました。無知や偏見をなくすための学び。国や民族の間での文化の違い、歴史、地理を知る。そして、皆が自分と変わらない人間であることを知る。戦争を未然に防ぐ国々になる。
西谷さんは、私たちに二つの宿題をだしていかれました。なぜ、テレビや新聞で戦争の場面が報道されないのか。そして、私たちは何をしていくべきなのか。
戦争は今も続き、毎日100人単位の人々が亡くなっているそうです。
講演会後、数人の生徒から質問が出ました。深く心に残る講演でした。
[三井田]
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